嵐の前の静けさ
突発的におこる姉妹ケンカは日常茶飯事のわが家でも、奇跡的に穏やかな奇跡の瞬間というものがある。一人はモニターでゲーム、一人はタブレットで絵を描いたりYouTubeを観たり。
それをほほえましく見守り、メインのテレビで録画を観てくつろぐ。
こんな穏やかな時間が続けばいいな。もしかしてこれは成長の明かし?なんてのんきにかまえていた。
しかし、静寂は突然に破られた。一人ゲームに飽きた次女が突然、長女に一緒に遊んでと騒ぎだした。
ゲームではこだわりの強い長女は下手なゲーマーが許せない。自分よりかなり格下のゲームレベルでは受け付けないタイプ。
二人以上で仲良くできるゲームというのがなかなか見つからない。
一度火がつくと、今さらいくら親が遊ぼうと誘っても、もう手遅れだ。長女は絶対に嫌だというし、次女も絶対に遊ぶと譲らない。
家中をドタバタと走り回り、もう上を下への大騒ぎ。そこまでいくとお菓子にもつられてこないので、物理的に距離を置くしかない…。
午前中に用事を済ませ、午後はゆっくりしようと考えていた自分の甘さ。考えていても始まらない。
一時の猶予もない。
長女には勉強の道具とタブレットを持たせ、実家に連れていき避難。次に夫と家で待たせていた次女を連れて、公園に連れ出す。とても一つの車にのせることはできない。
公園に着くと初めにブランコに乗る、順調だ。
滑り台などの遊具にはっきりと3-12才という年令制限が書かれている。一緒に遊ぼうと誘われ、うっかり滑り台にはまるという危険を回避できる。
まさかこういう意図では書かれていないとは思うが、はっきりと明示してあるのはありがたい。漢字は読めなくても数字は読める、実に親切だ。
長女がまだ小さい頃一緒に滑った滑り台で、ガチッとはまり、前にも進まず後ろにも下がれず、背後からは圧力の視線を浴び困ったものだ。
ローラー式の滑り台があるところでは、大人が後ろから滑るとそこそこスピードが出て子どもが大喜びするので、調子に乗っていると後ろが破けて穴が開くということもあるため注意したい。
商業施設に隣接した公園では地元ではない親子が買い物ついでに遊んでいることが多く、一人で遊んでいても浮いた感じがなくて良い。
気まぐれでフラッと訪れた遠くの公園では、地元のグループで遊んでいることが多く、寂しさをより際立たせてしまい、一緒に遊ぼう率が高まるからだ。運が良ければ、一緒に遊ぼう、と同じ年くらいの子が声をかけてくれることもある。
さらに良いことにエンドレスまだ遊びたいループにはまる前に、お店にいこうと誘えるのでちょうど良い。
店の中にも違うタイプの遊具があり、どんどん体力を消費させて十分にHPとMPを消耗させていこう。ついでに文房具でも買って、長女に埋め合わせを。。
しかし、ここに最後のトラップが潜んでいた。かわいらしいノートや鉛筆、消しゴムを選んでいると、そこには量り売りのお菓子が。ここは避けて通ることはできないボスキャラが出現した。何グラムでいくらになるのか一切の情報が与えられず、レジに行くまで謎のまま。
140グラムでぼぼ800円近く。これくらいなら下のスーパーで2,3倍のお菓子は買えたと推測される。
希望が叶い、吉備団子を手に入れた桃太郎次女はこの魅力的な袋の中身を長女に分け与えることで優越感に浸り、ようやく心満たされたようだった。めでたしめでたし。。。
育児中 寝落ちか夜ふかしか
平日はとにかく時間がない。昼間は起きたらすぐ家事、子どもの世話、仕事で夕方まで、それが終わったらまた家事、宿題を見て、お風呂に入れてごはんを食べさせて、片付けて。
前日に夕飯の下ごしらえが完了しているなどの好条件でうまくいっても8時、普通で9時、もう寝て~っとなる。
ここで大人しく寝てくれる年令なら、ここから少し夜更かしして自分の時間がとれるところ、でも一人で寝たくない~となるから一緒に寝るしかない。寝たら1人の時間を楽しもうと思っても寝かしつけに時間がかかると、気づいたら自分も寝落ち。明け方目が覚めることもしばしば。
無理して夜更かしすると日中あくびが出て、仕事のペースは落ちるし、朝疲れていて夕方までにはいつもよりイライラしてしまう。
寝落ちしてしまったときの方がスッキリしている。朝自然な光のなかでまだ寝ている子どもの寝顔を眺めよう。ぐっすり眠っているのでプニプニしたほっぺもさわって、頭をなでなでして、癒される。スースーという寝息と、ほっぺをなでなでしたらちょっと動いたりしたらかわいい。「魔法にかけられたみたい。」と言ったら大人はくすぐったい。でも子どもって普通に言えちゃうよなぁ。
子どもが生まれてすぐ育児書にはこんなに大変だなんてかかれてなくて、いいことばかり書かれていて、離乳食の写真はこんなに手の込んだものを何種類も毎日違うメニューで、しかもかわいく美味しそうに盛りつけされてキラキラし過ぎてムリーってなっていた。
今が大変すぎて、いつになったら楽になるのかよく検索してそんなときに大泣きが始まって、アップアップするということはしょっちゅう。
育児は大きくなったら別のことでまた悩んでいるよ、というが、確かにあるけれども、やっぱり振り返っても生まれて最初の3ヶ月が一番きつかったなぁと思う。だからそこを乗り越えたらなんとかやれるかなと思う。
そんなことを考えつつ、寝落ちする前に最低限朝少しでも余裕ができるように、お掃除ロボットをかけておくとか、食器は片付けておくとか、ごはんはセットしておくとか。
絶対に夜更かしと決めて次の日のほとんどをボーッとして過ごしてもいい日と、次の日冴えてないとならない日を分けて、頑張ってできることは終わらせて寝落ちしてしまうくらいでいいのかもしれない。朝早く起きて、もう少し眠れるし、気になったことを調べてもいい。頑張って寝落ちするくらい頑張って、自然に目が覚めるのを目指そう。夜更かしは週末にとっておいて、夜更かしするときにはこっそりおいしいものを用意して。と考えながら朝になった…。
日常に潜む気をつけるべきトラップ
1.食洗機取り出し時
①フォークに指先が刺さる
②ステーキ用ナイフが上向き
③菜箸を縦に入れてしまい先が折れる
④洗ったつもりがスタートボタンを押し忘れていた。
結果と対処法
①フォークがチクッと地味に痛いので、スプーンとフォークは分けて、フォークは手を突っ込みにくい壁際に入れる。サクサクと片付けてリズム感ある時に、突然襲ってくるので気をつけたい。
②ステーキナイフは先が丸まっていてもドキッとするので、上段に横置きにするか、先に軽く洗ってから下向きにする。それなら入れない方が無難。
③簡単に先が折れ、対になった片方が折れても2つ使えなくなるためショックが大きい。必ず上段に横向きにする。
④うっかり何枚か食器棚にしまってから気づくと、一つ一つ探す手間がいて、忙しい朝などに精神力を消耗。初めにプラスチックの皿を一つとって確かめる。
この④は後で追加が出るかもしれないとボタンを押さないでいるとたいてい起こるので、予約ボタンがある場合は保険で押しておくと良い。
2.洗濯機から現れるもの
- 石ころ
- ネジ
- 折れた割り箸の一部4.5センチ
- ポケットティッシュ
- ポールペン
石ころは子どものポケットから現れがち、とくに害はなし、ネジも同様、回すと激しく音がするので発見。折れた割り箸は謎。
ポケットティッシュは未使用か使用済みかで結果に差が出る。後者だった場合、何度洗濯してもしつこく出現する。前者だった場合、しっとりとした感触と重みに切なくなる。
これに似て、一度だけ紙おむつを回してしまったことがある。トイレトレーニング中で、あったりなかったりの時にやってしまった。噂に聞いてはいたが、見る語るも心苦しい。
このボールペンはインクが厄介だ。作業服にペンをひっかけるところが付いていて、それを忘れたまま洗濯された。これはトリッキー。見落とされやすい。
別で洗濯機回してくれて本当によかった、とひそかに思う。被害は最小限に押さえられた。
自分で蒔いた種は自分で刈ってもらおう。
インクの付いたシャツやズボンは2度の失敗はしないと固く誓う目印がしっかりと刻み込まれた。
このような失敗をしても、おこらず、笑ってやりすごす心の余裕を持ち続けたい…。
インフルエンザにかかったときのこと
自分だけは絶対にかからない、そう信じていた。マスクも二重にし、常に手洗いうがいを欠かさず、人の手が触れる場所は除菌ティッシュで、拭いて回っていたのだから。
熱が出て、病院に行って陰性を証明してもらうための検査のつもりが、陽性と判明したときには、まさか!と思った。
子どもがインフルエンザにかかった時は、病院で処置をしてもらい、割とすぐに熱が下がったあと元気になって、感染のリスクに気を遣いながらも、退屈、退屈というのをなだめるのが大変だったくらいだった。
これと比べ物にならないくらい自分がかかったときの大変さを知った。家族にうつさないようにするために、完全に部屋を隔離しながら、熱にうなされつつ、換気のために冬の冷たい空気に凍えながら窓は開け放ち、病人自ら毎日寝具を洗濯してはセッティングして、除菌で念入りに掃除を繰り返す。
しかし、それより何よりもっと大変だったこと、それは夫が手を尽くして用意してくれたたっぷりとした油で調理された料理の数々。
きっと栄養をつけようとしてくれたのだろう、創作料理のフルコースは、食べられたら食べるね、と言ってラップのふたは閉められた。
チンジャオロース的なもの、なすのひき肉いため?的なものは味はしょっぱく油っこく、その他にも野菜炒めやにんにくの効いた焼き肉など、よかれと思って用意してくれたものなので何か口にしようと思い、眺めてみても、どうにも食がすすまない。
帰ってきて、ほとんど手をつけられていないおかずを見て夫がおこりだした。
「こんなにたくさん作ったのに!」
そう言われても、「申し訳ないけれど、水分も飲み込みにくくて、ゼリー状のものしか今受け付けなくて…。」
「だったら最初からそういって!、失礼じゃないの?」
う~、布団から起き上がれない段階ですでに用意されていたのに、と言ったらまた怒られそうなので、「食べようと思ったんだけど、やっぱり油を受け付けなくて…ごめんね。」と謝った。
元気だったらおいしいものはおいしい、そうでないものはそれなりの評価で、おいしいものをことさら強調することでやり過ごすこともできたが、今そんな余裕はない。ただ、じっと嵐が去るのを待つのみだった。
それから数年後、夫もインフルエンザにかかったときにはようやく「あの時は悪かったね…」といってきたので、ゼリー飲料をそっと差し出した。
うむ。わかればいいんだよ。。
マイナポイント
マイナポータルからのメールで、期限が迫っているとあるので、チャージしたらもらえるポイントのことを思い出した。そのうちチャージしてたまるだろうからとそのままにしておいたマイナポイント。もしかしてたまってる?と思い、チャージの端末へ。
普段使っているWAONカードのマイナポイントの受け取りを押すと5000円しっかりとたまっていた。確か、他のカードもチャージして使ったような?と思い試すと、こちらもいくらかポイントがたまっていた。
普段メールの登録は避けるところ、たまたま登録していたので気づけたのはよかった。
おかげで、そろそろコーティング効果が薄れてこびりつくようになってしまったフライパンを買い換えて、軽くて、ダイヤモンド加工で、28センチの十分な大きさのフライパンをGET!
これで夫においしいチャーハンを作ってもらおう!
うちにはもともと大小合わせて3つのフライパンがあったが、この内まともにコーティングが機能しているのは小さいフライパンのみ。せっかく美味しくできたのに少量なので少ししか食べさせてもらえなかった。
娘は「おいしい!レストランみたい!」とベタ褒めなので、どれどれと見てみると確かにパラパラしていて美味しそう。食べてみると、味も良い。AJINOMOTOのチャーハンを食べたときのような驚きに似た感動が口一杯に広がる。パラパラしながら中はふっくら、卵にもご飯にも味が行き渡っていて均等。米がつやつやしていて後から加えたネギの旨味との相性抜群。塩コショウなしでも鶏がらの味だけで十分な旨味を引き出している。シンプルなのに奥行きのある味わい。卵のふんわりとした食感でごはんを包み込み、鶏がらで広がり染み出た旨味をネギでしめて、全体のまとまりが出る。肉が入っていなくてもたべごたえ十分。さあ、召し上がれ!!
材料
- ごはんお茶碗一杯半くらい(固めに炊いたもの)
- 卵2個
- 油大さじ2
- 鶏がらスープ(顆粒)
- 小口切りネギ
つくりかた
味付けはAJINOMOTOの丸鶏がらスープのみ。
①ご飯は固めに炊く
②卵2個を溶いて鶏がらスープで味をつけておく
③固めに炊けていたら、炊いた米をザルにいれて水洗い10秒水気を切る
④下準備でフライパンに油をしいて十分に温めておく
⑤ここからは時間との勝負なので、流れを頭にいれておく(約30秒)
卵を入れて、かきまぜたら(10秒くらい)すぐご飯を入れてしゃもじで角に集めて切るようにまぜながら、卵が焦げないうちに味つけをする。そこまで30秒くらい。
ネギは盛り付けてからまぶす。
第六感?
天ぷらが揚がる瞬間。ハンバーグのデミグラスソースをかける瞬間。炊き込みごはんが炊き上がった瞬間。まさに旬の時間。
夕方出かけていて、フラッと帰ってくるまさにいいとこ取りの現れ方をする。第六感があるのだろうか。
仮にあったとして、帰り始めてから家の玄関を開けるその瞬間までの時間を逆算しているとしたら恐るべき特技だ。
料理の同時進行は助手の手を借りたいほど忙しい。野菜が煮えすぎないかを絶えず気にして、合間にけんかの仲裁をし、味噌汁が沸騰寸前であわてて火を消し、天ぷらを揚げる準備をしながら、「のど乾いた~」と言って近づいてくるのを寸前で飲み物を差しだし、サッとかわす。
そんな猫の手も借りたいときに限って姿なく、地味な下ごしらえの段階で「なんてタイミングで、姿を消したか!」と思い、悔しくて、それならとこの一番美味しい瞬間を独り占めしてやろうと企んでいるときに限って、さっそうと現れるので思わず「あ~っ!」と叫んでしまう。
本人は自覚ないようだが、かなりの確率で、この企みを打ち砕かれるので、喜怒哀楽のウェーブに飲み込まれそうになる。
後でも先でもないこの絶妙なタイミング、天ぷらで例えていうなら、揚がる前の状態でまだ未完成、バタバタとした忙しさのなかで心の余裕はないので、そこで現れたら無事ではすまないだろう。
反対に揚がって食卓についた後だったら、最高においしい瞬間を早く味わおうと全神経を注ぐので、後から現れてやって来たよそ者は後回し、セルフサービスということになる。うっかり製作者より先に口にしてはならない。
それを間違えればここまでの苦労をひとしきり聞かされる罰を受ける。
ところがこの揚がった瞬間は成果物の出来にうっとりし、仏の心が芽生えた瞬間でもあるので、「出来立てを食べて!」とこうなるのである。
この心の隙を巧みについてきた心理戦は相手に軍配が上がり、結果、楽しい食卓となっている。
またある時は、お風呂が沸けてこれを片付けてさぁ、一番風呂を、と思っていたら、外からやって来てさっと入られてしまう。
とにかく、あまりに私の裏をかいてきて、それでいて、これほど私の心をかき乱しておきながら、何も気付かぬいいとこ取りの天才の前になすすべなく唇をかんでいる。
そこで、時々プチストライキを敢行してみる。後片付けを放棄してその場から離れて大げさに疲れたアピールをする。たまにそのまま寝落ちしてしまうと…。
もし、朝そのままになっていると自分を追い詰めることになるので、これはもう賭けだ。
こうすることで、結果何度もダメ出しをしてきた食洗機パズルゲームは少しずつ上達していった。初めこそ、とても納得のいかない仕上がりに人間性まで疑いかけたが、自分がセットしたかと見間違えるほど上達してきた。
食洗機を活用し始めて、ここまで3年という月日を費やしたが、じわじわと習得してきたようだ。
石の上にも三年、ここまで長かった。。。
懐かしい言葉
あれ~!やだ困る! これは意外にも最高の誉め言葉だ。使い方はおすそわけをいただくときに、相手に送る賛辞である。「そんな大層なものをいただけるなんて申し訳ない。」というニュアンス。
やだ困る!と言ったからといって、けして受け取らないというわけではない。「やだ困る!」の後すぐに「いや~すみません」と言って受け取りの姿勢にはいるのだから。
日本では「つまらないものですが…」という言葉を添えるおくゆかしい文化があるが、よその地域からやって来た方に対してもつい「やだ困る」と言ってしまうと少しややこしい。
(いや、本当につまらないものではないし、なんなら一番見映えのいい上等品だし)(いらないなら持って帰るわ。)(しかもなんなの?もう手が出ているし、いるのいらないの?どっちよ。)とかなりのパニックになる。初対面ではかなりのダメージを受けることになる。
言っている本人は最高の誉め言葉のつもりなので、相手がその言葉で喜んでくれていると信じている。しかも目線はすでに素晴らしい贈り物の方に向いているので、相手の怪訝な様子の顔も眼中にない。
繰り返しこの光景を見るまで(なんであんなこと言われてしっかりと受けとるのか)と思いながら帰り、ある時にそのお返しをもらったりして、じわじわと(感謝されていたんだな)と気づくようになる。
いつの間にか同じワードを使うようになればマスターだ。
決してつまらなくないものを「つまらないもの」と言って差し出し、決して困らないありがたいものを「やだ困る」と言って受け取り、たいしたものを「大したものではないですよ」と言葉を添える。
それが一連の流れとなっている。
これが普通の光景として日常よく目にしていると、当たり前すぎて、よそからきた人に「やだ困るって初めていわれたときはビックリした」ときいて、こちらが驚く。
そうなるとあの時言ったあれと、この時言ったあれと、それから…あの人に…などと急に不安になってくる。
思わぬところで誤解を生まないように、さりげなくお返しを渡すのはこんなときに生きてくるのか、あれきり妙によそよそしいなどとなっていたら恥ずかしさで顔が赤くなる。
それから「つまらないもの」はやめて「よかったらこれどうぞ」と渡し、もらうときは「すみません、どうもありがとう」と言うことにしている。
ただ、久しぶりに「やだ困る!」なんて言われると懐かしさで胸いっぱいに。しばらくその余韻を味わいながら、家路につく…。